écritu 操作マニュアル

第10章困ったとき

「送ったはずの文字が消えた」「キーボードが出ない」— écritu を使っていて戸惑いやすい症状を、原因と対処つきでまとめました。多くは iOS の他社製キーボードに共通する仕様で、故障ではありません。

送信したら入力中の文字が消えた

チャットアプリなどで、変換が終わっていない未確定の文字(下線付きで表示されている部分)を残したまま送信ボタンを押すと、手前に確定済みのテキストがある場合、未確定の部分だけがアプリ側で破棄されて送信されます。

これは iOS の他社製キーボード共通の制約です。未確定のテキストを送信に乗せられるのは OS の特権を持つ Apple 純正キーボードだけで、écritu を含む他社製キーボードはどれも同じ制約を受けます。écritu の不具合ではありません。

対処は次の2つです。

例外:入力欄の行頭からすべてが未確定(まだ何も確定していない)状態なら、未確定のままでも送信内容に乗ります。破棄されるのは『確定済みテキストの後ろに未確定が続いている』場合です。

パスワード欄でキーボードが出ない

パスワード入力欄などのセキュア入力欄では、iOS の仕様により他社製キーボードは使えません。écritu を選んでいても、これらの欄では自動的に iOS 標準キーボードに切り替わります。入力欄を抜ければ écritu に戻ります。設定のし忘れや故障ではありません。

Apple のキーボードが1回だけ出る

次のような場面で、入力欄をタップしたときに écritu ではなく iOS 標準キーボードが出ることがあります。

これは、開いたままだったアプリが以前のキーボードとの接続を覚えていて、更新や iOS の整理でキーボード側が入れ替わった後の1回目の呼び出しだけ失敗するために起こります。iOS の仕組みによるもので、他社製キーボードに共通の現象です。écritu の故障や設定の問題ではありません。

対処:そのまま少し待つか、キーボードを閉じて入力欄をもう一度タップしてください。écritu に戻ります。同じ場面で繰り返し起こることはありません。

変換候補が出ない・極端に少ない

インストール直後や更新直後に、変換候補がほとんど出なかったり、ごく基本的な単語しか変換できなかったりすることがあります。考えられる原因は2つです。

見分け方:この状態のあいだは、キーを押したときの色や候補の選択色が本来のアクセントカラー(émeraude / tuilé)ではなくグレーで表示されます。グレーのままなら、内蔵辞書がまだ読み込めていないサインです。

未確定の文字をタップすると消える

変換していない未確定の文字(下線付きの部分)を指でタップすると、その文字が画面から消えてしまうことがあります。入力した内容は失われていません — 続けて次の文字を打つと、消えたように見えていた文字が戻って、その続きから入力できます。

これは、未確定の文字の上(またはすぐ近く)をタップしたときにアプリ側が表示を止めてしまい、そのことが écritu に伝わらないために起きます。Apple 純正キーボードでは、同じ操作で文節の区切りを指定する縦棒カーソルが出ますが、あの仕組みは OS がキーボードと直結している純正だけのもので、écritu を含む他社製キーボードからは使えません(タップされたこと自体が届きません)。

回避したいときは、未確定から離れた行をタップするか、確定してからタップしてください。[自動確定(アイドル)](第8章)を ON にしておくと、一定時間で未確定が確定するのでこの現象に出会いにくくなります。

制限事項: 未確定の文字について

écritu は、入力中の文字(未確定)を iOS 標準の仕組み(下線付きで本文に置く方式)で扱っています。そのため、次の制限があります。いずれも現時点では écritu の側で解消できていません。

未確定の文字をタップして編集することはできない

メッセージなどで入力中に表示が乱れることがある

対処:返信を打っている途中で会話が動きそうなときは、こまめに確定してください。[自動確定(アイドル)](第8章)を ON にしておくと、入力が止まったときに自動で確定されます。乱れたときは、続けて打ち直すか、いったん確定してから直してください。続くようなら、起きた状況(アプリ、直前の操作)を添えてサポート窓口(このページ末尾)までお知らせください。

制限事項: 対応しない入力(方針として)

次の3つは不具合ではなく、écritu の方針として対応していません。今後も対応する予定はありません。

キーボードが開くとき表示が一瞬跳ねる

écritu を開いた直後、アプリの入力欄(メッセージアプリの[+]など)が1フレーム(約0.03秒)だけ高い位置に見えてから正しい位置に戻ることがあります。見た目だけの現象で、入力された文字に実害はありません。

iOS はキーボードの枠をいったん大きめ(écritu の高さの約2倍)に開き、écritu が自分の高さを伝えると作り直します。その短い間、アプリ側は大きい枠を基準に入力欄を置くため跳ねて見えます。この枠の初期の大きさは iOS 側が決めており、écritu からは動かせません。écritu 自身の面はこの間は描かないようにしてあります。

キーボードの上に灰色の余白が付くことがある

アプリや開き方によって、キーボードの上(ときに左右)に、角の丸い灰色の余白が付いて、キーボード全体が少し高く見えることがあります。入力や変換には影響しません。

これは iOS 26以降で、他社製キーボードを Apple 純正のアプリ(メッセージ・メモ・Safari など)で使ったときに起きる iOS 側の挙動です。余白は iOS がキーボードの枠の外側に付けるもので、キーボード自身からは塗ることも消すこともできません。Google の Gboard など、ほかの他社製キーボードでも同じように起きます。Instagram などの他社製アプリでは起きにくいと報告されています。écritu は Gboard と同じ高さを申告しているので、余白の出方も Gboard と同じになります。iOS の更新で改善されるのを待つしかない状態です。

参考: Extra margins around custom keyboard extensions in iOS 26 native apps(Apple Developer Forums、英語)

iPad でキーボードの面が出ない(フローティングからフル画面に切り替えたとき)

écritu は iPhone 向けのアプリですが、iPad でも互換モードで使えます。iPad で、画面中央に小さく浮かぶ表示(フローティング)から、画面の幅いっぱいの表示(フル画面)に切り替えた直後、écritu の面が描かれず空の枠だけが出ることがあります。いったんキーボードを閉じて開き直すと、正しく表示されます。

切り替えのあとに iOS がキーボードの画面を作り直さないことが原因で、écritu の側からは直せません。フローティングのまま使う場合と、最初からフル画面で開く場合には起きません。

まれに下線が残って見える

一部のアプリ(メモや Safari など)では、文字を確定したあとも下線だけが残って見えることがまれにあります。これはアプリ側(ホスト側)の描画によるもので、écritu は残った下線を自動で解消する処理を行ないます。見た目だけの現象で、入力された文字に実害はありません。

気になるときは:続けて何か入力するか、いったん別の入力欄に移ると表示が更新されて消えます。

動作がおかしいときの情報収集

変換を直したはずなのに古い並びが出続けるときは、écritu のアプリの[変換キャッシュ]カードで[変換キャッシュをクリア]を押してください。キーボードは読みごとの変換結果をメモリーに保持していて、それが候補の並びに影響することがあります(学習語彙や追加語彙は消えません)。キーボードを閉じて開き直すか、他のアプリに切り替えても破棄されます。

同じカードの[キーボードが閉じたときにメモリを整理]は、キーボードが画面から消えるたびに変換キャッシュの破棄と使い終わったメモリーの返却を行なう設定です。長時間使い続けたときにキーボードがシステムに強制終了されて標準キーボードに切り替わってしまう問題を抑えます。初期設定はオンで、通常はオンのままにしてください。オフにすると次回表示がわずかに速くなることがありますが、切り替わり問題が起きやすくなります。

上記のどれにも当てはまらない不調が続くときは、アプリのアイコンのメニュー[écritu について]に出るエディション番号と、iOS のバージョン、起きた状況(どのアプリのどんな入力欄か)を添えて、サポート窓口(écritu@merope.pleiades.or.jp)までお知らせください。écritu は入力内容や動作記録を保存・送信しないため、状況の説明が原因の特定に直結します。