écritu 操作マニュアル

第5章記号・数字・英字の入力

『〜』や『…』を打つためだけに記号モードへ入る — écritu は、その往復をなくすことを目指したキーボードです。この章では、かなのまま打てる記号たちと、数字・英字の各モードを説明します。

読点キーのなかまたち — 、。?!・

かなモードの右下、改行キーの左にある 、 キーは、文章でいちばんよく使う約物(記号)を1キーに集めた、écritu の中心的なキーです。

?
。
、
!
・
▲
▼
◀
▶
タップ
、(読点)
上フリック
?(疑問符)
右フリック
!(感嘆符)
下フリック
・(中黒)
左フリック
。(句点)

『元気?』『了解!』『東京・大阪』— こうした文を打つとき、iOS 標準キーボードでは『?』『!』は打てても、『・』には数字/記号モードへの往復が必要でした。écritu ではかなを打つ指の流れのまま、この1キーで完結します。まずこのキーの5文字を指に覚えさせるのが、écritu 上達の近道です。

未確定中に押すと:変換前の文字が残った状態で 、や 。を打つと、自動的に候補が確定されてから記号が入ります。どの候補で確定するかは設定で選べます(第8章)。

かなキーに埋め込まれた記号

読点キーのほかに、かなキーの『あき部屋』にも記号が入っています。五十音のかなが5方向に満たないキーの空き方向を、よく使う記号に割り当てたものです。

わをん〜ー
わキー: 下=〜 左=ー
や『ゆよ』
やキー: 上=『 左=』

2段階フリック — 括弧の切り替え

やキーの『』には続きがあります。左右方向のフリックで『または』を選んだあと、指を離さずにそのまま上下へ動かすと、別の括弧に切り替わります。écritu ではこれを『2段階フリック』と呼びます。

  1. やキーに触れ、左(』)へフリックします。まだ指は離しません。
  2. そのまま指を上または下へすべらせます。プレビューの文字が ) や 」 に変わります。
  3. 入れたい括弧が表示されたところで指を離すと、その文字が入力されます。
)
』
」
▲
▼
』のまま上へ
)(丸括弧・閉じ)
』のまま下へ
」(かぎ括弧・閉じ)
littlebear式 の場合
『が左・』が右になるため、『のまま上=(、下=「 も使えます

2段目に入れるのは左右方向のフリックだけです。初期設定の littlebear式では『が左・』が右なので、( 『 ) 』 の4種すべてをやキーから打てます。écritu式(戦略的初期設定)では『は上フリックのため2段目がなく、『(』「『』はやキーからは入力できません。丸括弧は()ラップモードや数字モード、かぎ括弧は数字モードの7キー(第9章)から入力できます。フリック方向の設定は第8章を参照してください。

3点リーダーとタブ

あと2つ、かなモードに埋め込まれた文字があります。

小゛゜…カ
小キー: 下=…
空白⇥
空白キー: 上=タブ

読みで出せる記号(約物)

よく使う記号は、記号モードや数字モードに切り替えなくても読みをかなで打って変換で出せます。読みが完全に一致したときだけ候補の末尾寄りに現れる仕組みなので、普通の言葉の変換の邪魔はしません。『まる』『ばつ』のように名前で打つほうが早い、という場面で使ってください。

読み出る記号
まる○ ◎ ●
にじゅうまる / くろまる◎ / ●
さんかく△ ▲ ▽ ▼
しかく / ひしがた□ ■ ◇ ◆ / ◇ ◆
ほし★ ☆
ばつ / かける×
わる÷
やじるし→ ← ↑ ↓
みぎ / ひだり / うえ / した→ / ← / ↑ / ↓
こめ / こめじるし※
ゆうびん〒
しめ〆
おんぷ♪
ちぇっく✓
はーと♡ ♥
なかぐろ / なかてん・
てんてん / りーだー…
から / なみ〜
あっぷる(Apple 端末でのみ表示)
こまんど⌘
どう / おなじ / おどりじ々
くりかえし々 〃 ゝ ゞ ヽ ヾ

踊り字(々 〃 ゝ ゞ ヽ ヾ)も同じ仕組みです。『々』は『どう』または『おなじ』でも出ます。

部首の字形も同じ仕組みで出せます。部首の名前(2文字以上)をかなで打つと、その字形が候補の末尾寄りに現れます。『くさかんむり』→ 艹、『さんずい』→ 氵、『にんべん』→ 亻 など、康熙部首214種(位置別の字形を含めて245字形)すべてに対応しています。

数字の入力

かな5×2なら数字キーが常設

かな配列を5×2(戦略的初期設定)にしているときは、キーボード最上段に 1〜0 の数字キーが常に表示されています。日付や個数程度の数字なら、モードを切り替えずにそのままタップして入力できます。

数字モード(123キー)と3つの配列

左列の 123 キーをタップすると数字モードに切り替わります(かなに戻るには あい キー)。数字モードの配列は3種類から選べます(選び方は第8章、全キーの詳細配列は第9章(続))。

電話番号欄や認証コード欄のような数字専用の入力欄では、écritu は最初から数字モードで開きます。このとき数字配列を clavier にしている場合は、数字専用欄ではテンキーの téléphone 配列で開きます(通常の欄での設定はそのままです)。

calculette電卓式(戦略的初期設定)。上段が7 8 9で、右下に −()[] キーがあります。
téléphone電話式。上段が1 2 3の、iOS 標準に近い並びです。
clavier(初期設定)キーボード式(縦画面専用)。最上段に1〜0、その下に記号が2段並びます。シフトキーで漢数字(一 二 三 … 〇)と別の記号セットに切り替わります。横画面では自動的に calculette になります。

数字キーのフリックに隠れた記号

calculette / téléphone の数字キーは、それぞれの4方向に記号を持っています。通貨・数学記号・郵便記号など、代表的なものを挙げます。

2¥$₿€
通貨: ¥ $ € ₿
5+×±÷
数学: + × ÷ ±
8〒々...〆
和文記号: 〒 々 〆

ほかにも、1 に矢印(← ↑ → ↓)、6 に = < > ≠、7 に『』: ;、9 に | \ ` ^、最下段に () [] {} などの括弧類が割り当てられています。図の方向は écritu式(戦略的初期設定)のもので、初期設定の littlebear式では割り当てが変わります。全キー×全方向の一覧は第9章(続)を参照してください。

℃ と ℉:3 キーのフリックには温度記号があり、iPhone の温度単位の設定(摂氏/華氏)に連動して ℃ または ℉ が表示されます。

書式化数値の入力 — 単位・金額・日付

『1,234.5 hPa』『-¥1,000』『2026年3月4日 (水)』のような書式付きの数値・金額・日付を、ドラム(回転式の選択リスト)で単位や書式を選びながら組み立てて、1回の確定でそのまま入力できるモードです。かなモード左下の ☺︎ キーを長押しして出る面選択のパレットから[書式化]を選ぶと開きます。どの面からも、下段の あい キーの長押しで同じパレットを出せます。

下段には5つのカテゴリーキーが色分けされて並びます: kg(SI基本単位)・m/s²(SI組立単位)・hPa(固有の名称を持つSI組立単位)・€(金額)・📅(カレンダー)。前回使ったカテゴリー・単位・接頭辞・トグル状態は記憶され、次に開いたとき同じ状態から始まります。

単位と金額

左側はテンキー(並びは設定[数字配列]の書式化数値入力に従い、calculette または téléphone)で、数字3行の下に ±(符号反転)・0・小数点キーが並びます。小数点キーの表示と入力は設定[format numérique]の Séparateur décimal(. か ,)に連動します。数字は8桁まで入力できます。

右側は上から、プレビュー(確定される文字列がそのまま見えます)、単位ドラム、トグル行です。ドラムを回すと記号と読みのカード(例: 『hPa ヘクトパスカル』)が表示されます。SI単位系の3カテゴリーでは単位ドラムの左に接頭辞ドラムが付き、T・G・M・k・h・(なし)・c・m・μ・n・p の11種から選べます(質量の基本は g なので、k を選ぶと kg になります)。金額カテゴリーは ¥ $ € £ ¢ ₩ ₹ ₽ ₺ ฿ ₫ ₴ の12通貨です。

hPa のカテゴリーには、SI と併用できる非SI単位として t(トン)と l(リットル)も入っています。リットルは接頭辞ドラムと組み合わせて hl・cl・ml のように使えます。リットルの字形は設定の『リットルの記号』で l / L / ℓ から選べます(第8章)。

sep mil千位区切りのオン/オフ。オンのとき3桁ごとに区切り記号(設定の Séparateur de milliers)を挿入します。
espace(単位カテゴリー)数値と単位の間に空白を入れるか(1000 hPa / 1000hPa)。
avant / après(金額カテゴリー)通貨記号を数値の前に置くか後に置くか(¥1000 / 1000€)。通貨ごとの慣用に合わせた初期値を持ち、負数は -¥100のように負号が先頭に出ます。
↵(確定)プレビューの文字列をそのまま入力します(変換を経ない直接入力)。数値が空のまま押すとかな入力へ戻ります。

N·m のような組立単位の中の積の記号は、設定[format numérique]の単位の積の記号(U+00B7 / U+22C5 / U+0020)で置き換えられます。

温度の度記号(°C / ℃)は設定[degré]の字形で表示・入力されます。

カレンダー(日付)

📅 カテゴリーでは月間カレンダーが表示されます。< > で月を送り、日をタップして選ぶと、プレビューに書式化された日付が表示されます。書式はプルダウンから実例(『3月4日』『2026年3月4日 (水)』など)で選べ、候補の系統は設定[カレンダー]の日付書式(日本式/フランス式/英国式/米国式)で切り替わります。週の開始曜日・曜日の言語・日曜/金曜/土曜列の色も同じ設定カードで選べます。

単漢字入力 — 部首や画数から1字を探す

読みが分からない字、変換では出しにくい字を、部首や画数から探して1字だけ入れるためのモードです。かなモード左下の ☺︎ キーを押したままにして出る面選択のパレットから[単漢字]を選ぶと開きます(アイコンは康熙字典の 熙)。どの面からも、下段の あい キーの長押しで同じパレットを出せます。

手順は3段です。

  1. 部首の位置を選ぶ — 偏・旁・冠・脚・垂・繞・構・独立の8分類。
  2. 部首を選ぶ — 画数ごとに区切られた一覧から選びます。字形の下に読み(さんずい・くさかんむり など)が付きます。
  3. 字を選ぶ — その部首を持つ字が総画数順に並びます。字を押したままにすると読みが吹き出しで出ます。タップで入力。

一覧に挟まれる総画数は Unihan の値をそのまま表示します。部首一覧を並べる画数は、流儀が分かれる4つの部首(艸/辵/食/龰)だけ設定[部首の画数の数え方]で選べます。

ヒラギノ明朝にグリフが無い字は青系の色で表示されます(実機では別のフォントで描かれます)。読みから部首の字形そのもの(艹・氵・亻 など)を入れたいときは、読みで出せる記号の要領で『くさかんむり』『さんずい』と打つほうが早道です。

英字の入力

abc キーと3つの配列

左列の abc キーをタップすると英字モードに切り替わります。配列は3種類です(選び方は第8章、詳細は第9章(続))。

AZERTY(初期設定)フランス式のフルキーボード配列。1キー= 1文字でタップ入力します。
QWERTY一般的な英語配列のフルキーボードです。
3×3フリックかなと同じ3×3のフリック型。a キーの上=b、右=c のように、1キーに複数の文字が入っています。

シフトキー — 大文字の入力

長押しでアクセント文字

AZERTY / QWERTY では、文字キーを長押しするとアクセント付き文字のパネルが開きます。たとえば a の長押しで a à á â ä æ ã å ā ă ą が並び、指を離さず左右にスライドして選び、離すと入力されます。e(è é ê ë …)、c(ç …)、o(ö œ ø …)、u(ü ù …)、n(ñ …)、s(ß …)など、ヨーロッパ言語の文字を一とおりカバーしています。

3×3フリック配列では:長押しアクセントは使えません。アクセント文字が必要な場合は AZERTY / QWERTY を選んでください。

縦画面の AZERTY / QWERTY — ⌫ と記号の位置

縦画面で AZERTY / QWERTY を使うときは、キーが小さくなりすぎないよう、最下段の配置が少し変わります。

横画面ではまた別のタイプライタ型レイアウトになります。第9章(続) 横画面を参照してください。

英字の候補 — 欧文サジェスチョン

英字モードで文字を打っていくと、候補バーに入力中のつづりで始まる単語のサジェストが表示されます。候補をタップすればつづりの残りを打たずに入力できます。長い単語や、つづりがあいまいな単語のときに便利です。

サジェストの語彙は次の2系統が合流して表示されます。

大文字で打ち始めると候補も先頭が大文字になります(Natur → Natural。全部大文字で打てば候補も全大文字)。空白で区切って2語目以降を打つときは、いったん語句全体で探し、一致が無ければ直前の空白の後ろから探し直します。追加語彙の空白入りの語句(銘柄名など)は先頭から打てば語句ごと補完され、ふつうの単語は文中のどこでもサジェストされます。

候補をタップして入力すると、単語の後ろに空白が1つ付きます(すぐ後ろが既に空白なら付けません)。続けて次の単語を打てます。その直後に句読点や閉じ括弧を打ったときは、付けた空白を詰めて単語の直後に置きます。『.』『,』『!』『?』『;』『:』は記号の後ろに空白を回し(Birds , → Birds, )、『。』『、』や「』」『』」『)』などの閉じ括弧・閉じ引用符は空白を付けずに詰めます(『Birds 』にはならず『Birds』)。かな入力や数字入力に切り替えて打った場合も同じです。

ワインの略語(A.O.C.、D.O.C.G.、g.U. など)は、ピリオドを打たずに小文字で打つと補完されます(aoc → A.O.C.、docg → D.O.C.G.)。